今年の夏はつくづく’日本の家屋’の基本にこだわるべきだと思いました。

 私の自宅は約11年前に建築会社に勤めていたこともあり自分で設計し、施工管理したのですが、此の夏ほど夏対策に手抜かりがあったことを実感したことはありません。勿論大概の場合潤沢の予算でないため規模的にも構造的にも設備を含む機能性等も妥協しながら造ったわけですが ---まず毎年夏に悔やまれるのが道路と敷地の関係で玄関や居間など窓開口の多くが西向きであるため午後から夕暮れまで日射が厳しいのです。建ぺい率の制約と予算の都合から総2階としていて一階部分には庇の代わりにベランダを持ち出していますが庇ほど有効ではありません。....その反面冬場はあまり寒さを感じませんが、---小屋裏(切り妻)の野地板面に発泡ウレタンの断熱材を吹き付けていますが、これも昼間日差しの強い日には小屋裏全体にこもった熱がこんどは陽が陰った後も断熱効果のお陰でなかなか冷めてくれません。ただこの件に関しては昨年太陽光パネルで屋根面を約半分ほど覆ったのと、小屋裏にサーモ付きの強制換気設備を設置したためかなり解消されました。---サッシュはアルミで複層ガラスにしていますので機密:遮音:断熱性とかに優れますが換気に関しては矢張り別に吸気口を設けた方が良かったかな?ともおもっています。---今年の夏は殊に家の中でお年寄りが随分熱中症で命の危機にさらされているとの報道を聞いています。この因果関係は調べた訳けではありませんが、もしかして土壁:瓦やワラ葺き屋根:軒の深い風通しの良い家でなら被害は少なかったかも知れません。取り巻く環境や技術の進歩などにも適応しながら”快適で安全な住まい創り”の難しさを実感しています。